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2004年度日本哺乳類学会奨励賞

 奨励賞候補者を募集したところ2名から応募がありました. 2004年10月8日に選考委員会を開催して慎重に審議した結果,川田伸一郎氏(名古屋大学大学院生命農学研究科)が選考されました.
 川田伸一郎氏は食虫類の系統類縁関係を形態学的解析と細胞遺伝学的分析によって解明してこられました.モグラ科の歯式についてロシアの科学アカデミーシベリア支部動物体系学生態学研究所に滞在して発生学的な特徴を包括した解析に成功されました.また日本産モグラ3種および歯式の変異に富むアジア産の種に関して膨大な標本にもとづく,詳細な解析をした結果,モグラ科の歯式は変異性が高く,このことはタイプ標本の意義にも言及するような重大な成果となって結実しました.また形態学のみならず,染色体解析によってモグラ科全体の類縁関係の再編成を進めています.川田氏はこれらの成果を国際誌を含む学術誌へ多くの論文として公表され,本学会の英文誌4編の論文があります.一方,自由集会などを積極的におこなって学会の発展に貢献されました.
 選考委員会は川田氏の哺乳類学への業績,本学会への貢献度を高く評価し,今後の一層の御活躍を期待して奨励賞を授与することに決定しました.

日本哺乳類学会奨励賞(第2回)

川田伸一郎(名古屋大学大学院生命農学研究科動物管理学研究室)
受賞者による研究紹介
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